【NEO 農村生活 〜 心の豊かさを求めて〜】

九州・宮崎で「玄米ベジ弁当」をつくるバーシーが追求する「心の豊かさ」とは。

NEO農村生活~心の豊かさを求めて~

「豊かさ」の指標は人それぞれ。古民家ゲストハウス「びろえむ」で感じたこと

こんにちは、bashiです。

 


突然ですが、皆さんが考える「豊かさ」の基準って何ですか?

 


お金をいっぱい持っていることでしょうか?

友達がたくさんいることでしょうか?

食べものをたくさん自給できることでしょうか?

 


僕はそんな簡単に答えの出せない、ものすごく深い命題について考えさせられる機会がありました。

 

 

古民家びろえむについて


千葉県南房総市、旧三芳村

人里離れた山村にポツンと佇む、

古民家「びろえむ」。

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以前住んでいた家主が亡くなられてから放置されていた古民家を再生し、イベントスペースや民泊施設として生まれ変わった場所です。

 


びろえむを運営しているのは大山宏子さん(びろさん)という1人の女性。


びろさんは、無農薬無化学肥料でお米やお野菜を生産しているオーガニック農家さん。

お味噌や醤油、梅干しなども手づくりしています。

 

味噌仕込みのお手伝い

この日、びろさんが作る味噌の、仕込みの最初の段階である

「米と糀菌を混ぜる」作業をお手伝いしました。

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米を蒸して

 

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広げて

 

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広げたお米から少量ボウルにとって糀菌(小袋の粉)を加えて

 

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もみほぐすように混ぜ合わせ

 

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再び戻してよく混ぜ合わせます。

 

糀菌は40度くらいに保たれた環境下で、お米の糖を食べて増えていきます。

40度に保たれないと、菌が増えなかったり、死んだりしてしまいます。

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そのため、このような温度を一定に保つ機械の中に、糀菌を混ぜたお米を入れます。

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1日経ったら、「天地返し」といって、お米をかき混ぜてまんべんなく糀菌がいきわたるようにします。

もう1日置いてから、つぶした大豆と塩と混ぜ合わせて、味噌を仕込んでいきます。

 

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お米も糀菌も生きている。

生きものを手に取り、作業をしていると、なんだかその生きものから元気を分けてもらっているような感覚になりました。

「手づくり味噌は手間がかかって大変」という話を聞いていましたが、僕は全然そう思いませんでした。

むしろ、たちまち元気になり、楽しく生き生きと作業できました。


このお味噌をはじめ、びろさんが大切に育てた作物は、びろえむでの食事ではもちろん、通販でもいただくことができます。(詳しくはこちら↓↓↓)

びろえむ | つくるひとたべるひと


びろさんはもともと東京でお花に関わる仕事をしていましたが、南房総の豊かな自然に惹かれて移住。農業は未経験だったので、びろさんの移住前から有機農業に取り組まれていた、百姓屋敷「じろえむ」で修業しました。

 

百姓屋敷「じろえむ」について

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百姓屋敷「じろえむ」は、約300年前に建てられた茅葺屋根の屋敷。

「じろえむ」とは屋号の「次郎右衛門」の略(現地の方言)。

びろさんの「びろえむ」は、じろえむを参考にして名づけられました。

 

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じろえむさんでランチをいただきました!

一食1,500~3,000円(注文するおかずの量で価格が変動します)。

じろえむで育てられたお米をかまどで炊いた、格別においしいごはん。

お野菜をふんだんに使ったおかずと、手づくりのお漬物。

大切に育てられて鶏の卵を使ったふわっふわの卵焼き。

 

じろえむには養鶏場があります。鶏の飼料は化学的なものを全く使っていない特製のもの。こだわりの飼料で平飼いで育てられた有精卵は、黄身が鮮やかなレモン色。味がまろやかでやさしい甘みがして、そのおいしさは格別です。

 

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最後に手づくりの糀を使ったデザート。

最高のお食事でした。

 

(じろえむについての詳しい情報はこちら↓↓↓)

百姓屋敷じろえむ

 

びろさんのお仕事を手伝う

ランチの後は、びろさんと農作業をしました。

 

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田んぼに有機肥料をまいている様子です。

有機肥料には、「じろえむ」で飼育されている鶏の糞が使われています。

 

びろえむに戻ったら、火をおこすための薪づくりをしました。

 

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びろえむではかまどで火を焚いて料理をしたり、ストーブとして用いたりしています。

昔ながらの生活ですね。

 

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「かまどで作る食事は、食べ物だけではなく、『火』をいただいている感じ。料理がより一層おいしく感じる」

びろさんがかまどで作る食事について言いました。

 

これが、かまどで作られた夕食。

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野菜は、びろさんが育てた有機野菜。

サラダの卵は、先ほど紹介した「じろえむ」の有精卵。

手前の焦げ目がついているものは、びろさんの大根をすりおろして、小麦粉と混ぜて焼いた「大根もち」。

 

 

おいしい。

 

たちまち元気になり、どんどん食がすすみます。

普段の食事とは比べ物にならないくらいのおいしさに、感動が止まりません。

 

「『火』をいただくとは、こういうことなんだ。」

 

その食事を味わった人しかわからない感覚を味わいました。

 

びろさんが考える「豊かさ」 

食事中、びろさんが話してくれました。

「所得水準からすると、私は『ワーキングプア』。だけど、私は『プア』だとか全く思ったことはない。むしろ『豊か』。

この家にはイベントや民泊でたくさんの人たちが来てくれるし、楽しくて幸せ。お金なんかなくても、最低限あれば大丈夫。地域の人た同士でお米や野菜を分け合ったり、農作業も(僕みたいに)この家に来てくれる人に手伝ってもらったり。手伝ってくれたらこんな風にごはんをごちそうする。そこにお金のやり取りは存在しない。

一時は放置されてしまったこの家も、たくさんの人たちが訪問しに来てくれて、それが家に活力を生んでいる。『生』が入ることによって、この家も、亡くなった以前のこの家の持ち主もすごく喜んでいると思う。家も生きているんだ。

私はこの家で、たくさんの人と出会えて、たくさんのつながりが生まれことが楽しくて幸せ。そういう意味で、私は本当に『豊か』だな、と思う。」

 

びろえむでの経験通じて、

このブログのテーマでもある、「『豊かさ』って何なんだろう?」という疑問が浮かびました。

 

本当の豊かさって何なんだろう?

 

その「答え」は明確にはありません。

「豊かさ」の基準は人それぞれ違いますし、どの人の考えも間違っていないと思います。


僕は、楽しく生き生きと毎日を過ごせることが、「豊かさ」の基準だと思っています。

でも、「それは違う」と言う人もいると思います。

その人たちの意見を否定はしませんし、僕の考えが絶対だと押し付けることもしません。

 

けれども僕は、たとえお金が無くても、モノが無くても、毎日楽しく生き生きと過ごせればそれが「豊か」な状況ですし、幸せなことだと信じています。

 


「本当の豊かさって何なんだろう?」

 


びろえむでの滞在は、「人生における永遠のテーマに」ついて考えさせられる、忘れられない経験になりました。


皆さんも是非、「びろえむ」を訪ねてみてください。心安らぐ、あたたかなお家がそこにはあります。

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bashi